Yui こどものきもの Blog
2023/09/29 18:13
私が子供の頃、
母は洋服をよく作ってくれました。
祖母は着物を縫っていました。
そんな環境だったので、着るものを作るのはとても身近だったのです。
大人になり、私は洋服のパターンナーという職業につきました。
洋服の勉強を始めて感じたのは、
ヨーロッパで作られた服は何か違う。
立体が際立っているというか、、、
何が違うんだろうと思っている時に、
そもそも、日本の着物を知らないということに気づき、
和裁を習い始めました。
自分の浴衣が縫い上がり、始めて着る時に、
自然に襟先を持ち、右手を左脇に持っていったのです。
あれ?この動き、昔やってた?
そう思った瞬間、鮮明に思い出したのです。
私、子供の時、着物着てた。
それは着物というにはかなりお粗末ですが、
祖母が縫ってくれた寝巻き、が着物だったのです。
柔らかいネルの肌触りや、
赤い地色に可愛い鳥の柄が入っていて見るたびに嬉しかったこと、
身長が大きくなって着れなくなった時の悲しかったこと。
次に親が用意してくれたのは
洋服のパジャマだったのですが、
脱ぎ着がめんどくさくなったなと思ったことも思い出しました。
着物って楽だったの、、、?
子供の頃に着物を少しでも着ていたら、
大人になった時に着物に対するハードルは低くなるんだろうな、、、とその時感じたのです。
そんなことを考えながら洋服の仕事を続けていました。
その後、結婚、出産を機に退職、
子育てをしながら、子供の服を縫ったりしていました。
その時、夏祭りがあるということで、
子供に浴衣でも作ってみようかと、思い立ち、
本を買い(今まで自分の着物しか縫ってなかった、、、)
まず最初に浴衣を縫って着せてみました。
可愛い、、、。
洋服より、可愛く感じました。
でも、自分の子は可愛いものなので、
まあ、親の欲目だろうなと。
しかし、
お祭りで知り合いに会った時、
甚平も可愛いと思ってたけど、
浴衣ってすごく可愛いね、と言ってくれたのです。
お祭りに来ていた知らない人にも褒めてもらえました。
やっぱり、子供の着物って可愛い、、、?
可愛さにやられた私は
今度はお正月に、ウールのアンサンブルを縫ってみようと、
ちゃんちゃんこと着物を縫いました。
やっぱり、どうしても
可愛い、、、
浴衣より可愛い、、、。
ちゃんちゃんこの可愛さ、、、。
この可愛さを知らずに子育てを終えるのは、
もったいないかも、、、。
そして子供が着物に触れる最初は
やはり、七五三
我が家は男子なので、5歳の時だけでしたが、
3歳、7歳と2回ある女の子は
3歳はまだよくわかっていなくて、
可愛い可愛いと褒められて喜んでいるけど、
7歳の時は暑い、重い、苦しいと言って、
もう着物は二度と着ない。
と宣言されてしまった、、、。
といったお母さんが数人ですが、
私の周りにいるのです。
それはあまりにももったいない、、、。
自分たちの祖先が
自分たちが一番美しく見えるように作り続けてきた着物。
子供の時にたくさん褒められて
着物を身近に思ってくれる子が増えたらいいなと
普段に着れる子供のきものを作ろうと思いました。